美しきふたりの悪女 [読書日記]
映画化されたこの小説。ちょっと気が向いて、読んでみました。
何年か前にドラマ化されたこともあるけれど、それはまったく観ていなかったので、 予備知識ゼロ状態で読み始めたところ、どんどん引き込まれていって、 面白くて止まらなくなっていたのです。
それなのに・・・、最後まで読み終わったときに、なんとも釈然としない、 虚しい気持ちになってしまいました。。。
それはなぜか??
主人公 雪穂の悪女ぶりが、冷徹で、残忍で、共感できる部分が微塵もなかった。 読後の虚しさは、そんな理由なのかなと思います。
でも、大ベストセラーだという事実は、揺るぎないものなので、私好みではなかった、というだけ。 ただ、小説を読んだあとに観ようかなぁと思っていた映画は、たぶん観に行かないと思います。
ところで、『白夜行』を読んでいる最中に、何度となく頭をよぎったのが、この小説。
はじめて読んだのは、何年前でしょう??
おそらく15年以上前だったような。それ以来、今までに何度も何度も繰り返し読んでいて、 かなりボロボロになってしまってますが、読むたびに、新たな発見がある物語です。
この小説の主人公 公子(君子)も悪女であることに間違いないのですが、 何度読んでも、私は公子を嫌いになれないのです。
それどころか、”美しいものが好き”という、極端なまでの彼女の価値観に、 どこか憧れのようなものすら覚えます。 自分には絶対に真似できない生き方だけれど、ちょっとやってみたいような気もする。。。
27人の男女が語る言葉の微妙なニュアンスや物語の構成など 有吉佐和子さんの文体が、これまた素晴らしくて、私にとっての名作ベスト5に入る作品です。
もし映画化するとしたら、誰が公子役にふさわしいでしょうねぇ。 鈴木京香? 鈴木保奈美? 意外と松嶋菜々子もいいのかも・・・。
悪女が嫌いじゃないという方は、ぜひ一度、読んでみてくださいまし。
以前のドラマ、私も観ていませんでした。
でも話題になっていたので、ドラマ放映後に「百夜行」読みました。
読了後、なんて救いのない小説なんだ・・・と。
ここまで救いのない小説って、どうなんだーくらいの気持ちに。
東野圭吾作品「赤い指」などは、面白いと思ったのですが、
これはワタシも合いませんでした。。。
by yuka (2011-02-12 00:40)
「白夜行」・・・。ドラマ観るべし・・・。
私はこれで東野圭吾にはまった・・・。
この喪失感が、ズ―――ンと残って今に至ってます。
作品にかかわる順序って意外に大事かも・・・。
これに関してはこの順序だった。ドラマ→本→映画
・・で、ドラマが一番美しかったと思う。
「秘密」は映画→本→ドラマ
最近は本→ドラマor映画(新作を読むことが多いから仕方ないかな?)
本の表現ではもひとつ理解できなかったことが映像にするとカツンとくることがある。
すべてにかかわった後に最終判断してほしい作品が多いのが東野圭吾かな?と思う。
by ANE (2011-02-12 10:59)
yukaさま
>なんて救いのない小説なんだ・・・と。
そうそう。そーなんです。
過去の忌まわしい出来事が、雪穂という「悪魔」を作りだしたんだという事実が
わかったときに、私は彼女に共感や同情を覚えなくて、
”救いのなさ”に虚しくなった気がします。
「赤い指」は、読んだことがないですが、きっとまた違う魅力があるんでしょうね。
私は「容疑者Xの献身」では、さめざめと泣きました。
同じ作家でも、好みに合うか合わないか、作品によって異なるのは仕方のないこと
なのかもしれませんね。
by aya (2011-02-12 13:45)
ANEさま
「白夜行」ドラマ、そういえばハマってたねぇ。
私の友達もドラマはすごくよかった・・・と言ってるし、ちょっと観てみようかとは
思っています。主人公ふたりの心情表現が、小説とは違ってるみたいだしね。
>作品にかかわる順序って意外に大事かも・・・
これは、相当大事なことだよね~。
私は、映画→原作っていうパターンが多いかな。
原作→映画の順番だと辻 仁成の「サヨナライツカ」みたいに、
ガッカリすることが多すぎて、かなり警戒しています(^^;)
by aya (2011-02-12 14:01)