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セーヌの流れに沿って [Art]

仕事帰りに、ブリヂストン美術館へ。

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本展は、セーヌ川流域を5つの地域に分け、それらを描いた印象派の作品を中心に、                    19世紀半ばから20世紀にかけての作品群を集めた展覧会。

日本人画家たちの渡仏作も豊富で、大好きなセーヌ、そして大好きなフジタの作品にも                   出逢えるとあって、楽しみにしていた企画展なのです。

今回の出品リストは、ゴージャスすぎてクラっと目眩がしそう。。。

シスレー、ピサロ、シャガール、シニャック、ヴラマンク、ルソー、そしてモネ・・・                           錚々たる画家たちが、腕をふるって『セーヌ川』」という素材のもつ魅力を                           それぞれの視点や感性で表現しているわけですから、この企画展は                                          言うなれば、超一流のシェフ達による『セーヌづくし』という夢のフルコースなのです‼

いやはや、眼福‼

2010110406225509es.jpg 『パリ、ポン=ヌフ』1931年 ポール・シニャック

8bfb6ee952630fb1cef25e7aeb825d81.jpg『セーヌ河の朝』1897年 クロード・モネ

美味セーヌを堪能しているうちに・・・ヤ、ヤバイ。。。                                またパリに行きたくなってきた。。。

とりわけ、ポン=ヌフとその向こうに見えるルーブル美術館の光景は、                          強烈に私をパリに誘ってくるので、困りものです(^^;)

さてさて、数ある作品の中でも、今回私が特に心惹かれたのは、ルソーとフジタ。

65cf19ce708b6128882434ecc2345279.jpg 『要塞の眺め』1909年 アンリ・ルソー

379c4e3d72cbe49aca61cb1420ab6266.jpg『ル・アーブルの港』1917年 藤田嗣治

この2枚を並べてみると、フジタがルソーの影響を色濃く受けたことが一目瞭然ですね。

1917年といえば、フジタはロンドンからパリに戻り、一流の画家と認められたくて、                                           ルーブルに通いつめて、独自の画風を極めようと試行錯誤を繰り返していた時代。

西洋絵画の模倣にならぬよう、セザンヌ、ルノワール、ピカソなど巨匠と呼ばれる画家たちの                  技法を敢えて遠ざけるようにしていたフジタですが、彼のこんな言葉が残っています。

-アンリ・ルソーだけには、天真爛漫にはなれません。彼は本物です。-

この作品のフジタのサインには、縦書きの漢字で”日本”の文字が書かれていました。                      ルソーへの賛美とともに、日本人としての誇り高きフジタの心が感じられて、                         なんだかやけにグッときてしまった作品でした。

そして、本日の1枚。

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『サン・ニコラ河岸から見たサン=ルイ島』1888年 アンリ・ルソー

このシックな色合い、うねるような構図から滲み出る懐の深さ、                                   ぽっかり浮かぶ月のこれ以上ない絶妙な美的配置。

私の中では、「これぞ、セーヌ、これぞ、パリ。」と言いたくなるような絶品でした。

なんと嬉しいことに、この作品は世田谷美術館所蔵なのですね。                                       今度”パリに行きたい病”にで困り果てたら、                                                 まずは世田谷美術館に出かけることにいたしましょう。


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ダメオラ

セーヌ川、シテ島を廻るコースをバトー・ムーシュの遊覧船で巡りました。そうそう昼飯はオルセーの近く、角にあったラ・フレガットという店に入りましたよ。
嫁さんはパリやニューヨークなど都会に行きたがるけど、私が本当に行きたいのは最果ての地や辺境の町で、北アフリカやトルコに行きたいのですけどね〜。まぁ、そんな何処は嫁さんが絶対首を縦に振らないので、私がいつも折れていますけど・・・
by ダメオラ (2010-12-05 21:23) 

yuka

こちらの展覧会も気になっていたのですが、いまだ行けておりません。
23日までだと、あっという間ですね。
ブリジストンは、他の収蔵品もおいしいので、やっぱり行きたいかも。

>『パリ、プン=ヌフ』1931年 ポール・シニャック
これ、いいですね。ぜひ本物を見てみたいです。

>『セーヌ河の朝』1897年 クロード・モネ
こちらの作品は、どこぞで会いました。すごくいいですよね。
ポストカードを買った記憶があります。

>『サン・ニコラ河岸から見たサン=ルイ島』1888年 アンリ・ルソー
こちらも見てみたいです。
ルソーの絵には、静けさがありますね。暗い色あいながら、暫く眺めていると
いろいろなものが見えてきたりすることも。
そして、なぜかいつも、黒井健さんの風景画を思い出してしまいます。
物凄く似ているという訳でもないのですが。
by yuka (2010-12-06 19:07) 

aya

ダメオラさま
バトー・ムーシュ、私もナイトクルーズで乗りました。
ちょうどクリスマスシーズンだったこともあり、夜のセーヌはキラキラしてて、
エッフェル塔のたもとで記念撮影したのを覚えてます。
最果ての地は・・・私も怖気づくタイプかも!?

でも、世界は広し。
行きたい場所には、行けるときに思い切って行っとかないと・・ですネ。
by aya (2010-12-08 11:12) 

aya

yukaさま
今回の企画展、約150点ほどの出品があるので、非常に充実してますよ。

私は今回、シックな色合いのルソーにとても癒されたんですが、
暗い沈んだ色合いが、す~っと気持ちに入ってきて、パリの空気感を
呼び起こしてくれて、ほんと観ていて気持ち良かったです。

>ブリジストンは、他の収蔵品もおいしいので・・・
常設の作品たちは、厳選されてギュギュっとひとつの部屋に展示されているので、
いつも以上に濃密な空間になってます。

ここでは紹介しませんでしたが、相変わらず、ザオ・ウーキーの青い作品は
圧倒的な存在感で、その絵の中に入ってしまいたい衝動にかられるんですよね。

東京に居ながらにして、セーヌを感じられる、とってもおススメな展覧会でした。
お時間あれば、ぜひ行ってみてください。
by aya (2010-12-08 11:28) 

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