セーヌの流れに沿って [Art]
仕事帰りに、ブリヂストン美術館へ。
本展は、セーヌ川流域を5つの地域に分け、それらを描いた印象派の作品を中心に、 19世紀半ばから20世紀にかけての作品群を集めた展覧会。
日本人画家たちの渡仏作も豊富で、大好きなセーヌ、そして大好きなフジタの作品にも 出逢えるとあって、楽しみにしていた企画展なのです。
今回の出品リストは、ゴージャスすぎてクラっと目眩がしそう。。。
シスレー、ピサロ、シャガール、シニャック、ヴラマンク、ルソー、そしてモネ・・・ 錚々たる画家たちが、腕をふるって『セーヌ川』」という素材のもつ魅力を それぞれの視点や感性で表現しているわけですから、この企画展は 言うなれば、超一流のシェフ達による『セーヌづくし』という夢のフルコースなのです‼
いやはや、眼福‼
美味セーヌを堪能しているうちに・・・ヤ、ヤバイ。。。 またパリに行きたくなってきた。。。
とりわけ、ポン=ヌフとその向こうに見えるルーブル美術館の光景は、 強烈に私をパリに誘ってくるので、困りものです(^^;)
さてさて、数ある作品の中でも、今回私が特に心惹かれたのは、ルソーとフジタ。
この2枚を並べてみると、フジタがルソーの影響を色濃く受けたことが一目瞭然ですね。
1917年といえば、フジタはロンドンからパリに戻り、一流の画家と認められたくて、 ルーブルに通いつめて、独自の画風を極めようと試行錯誤を繰り返していた時代。
西洋絵画の模倣にならぬよう、セザンヌ、ルノワール、ピカソなど巨匠と呼ばれる画家たちの 技法を敢えて遠ざけるようにしていたフジタですが、彼のこんな言葉が残っています。
-アンリ・ルソーだけには、天真爛漫にはなれません。彼は本物です。-
この作品のフジタのサインには、縦書きの漢字で”日本”の文字が書かれていました。 ルソーへの賛美とともに、日本人としての誇り高きフジタの心が感じられて、 なんだかやけにグッときてしまった作品でした。
そして、本日の1枚。
『サン・ニコラ河岸から見たサン=ルイ島』1888年 アンリ・ルソー
このシックな色合い、うねるような構図から滲み出る懐の深さ、 ぽっかり浮かぶ月のこれ以上ない絶妙な美的配置。
私の中では、「これぞ、セーヌ、これぞ、パリ。」と言いたくなるような絶品でした。
なんと嬉しいことに、この作品は世田谷美術館所蔵なのですね。 今度”パリに行きたい病”にで困り果てたら、 まずは世田谷美術館に出かけることにいたしましょう。
セーヌ川、シテ島を廻るコースをバトー・ムーシュの遊覧船で巡りました。そうそう昼飯はオルセーの近く、角にあったラ・フレガットという店に入りましたよ。
嫁さんはパリやニューヨークなど都会に行きたがるけど、私が本当に行きたいのは最果ての地や辺境の町で、北アフリカやトルコに行きたいのですけどね〜。まぁ、そんな何処は嫁さんが絶対首を縦に振らないので、私がいつも折れていますけど・・・
by ダメオラ (2010-12-05 21:23)
こちらの展覧会も気になっていたのですが、いまだ行けておりません。
23日までだと、あっという間ですね。
ブリジストンは、他の収蔵品もおいしいので、やっぱり行きたいかも。
>『パリ、プン=ヌフ』1931年 ポール・シニャック
これ、いいですね。ぜひ本物を見てみたいです。
>『セーヌ河の朝』1897年 クロード・モネ
こちらの作品は、どこぞで会いました。すごくいいですよね。
ポストカードを買った記憶があります。
>『サン・ニコラ河岸から見たサン=ルイ島』1888年 アンリ・ルソー
こちらも見てみたいです。
ルソーの絵には、静けさがありますね。暗い色あいながら、暫く眺めていると
いろいろなものが見えてきたりすることも。
そして、なぜかいつも、黒井健さんの風景画を思い出してしまいます。
物凄く似ているという訳でもないのですが。
by yuka (2010-12-06 19:07)
ダメオラさま
バトー・ムーシュ、私もナイトクルーズで乗りました。
ちょうどクリスマスシーズンだったこともあり、夜のセーヌはキラキラしてて、
エッフェル塔のたもとで記念撮影したのを覚えてます。
最果ての地は・・・私も怖気づくタイプかも!?
でも、世界は広し。
行きたい場所には、行けるときに思い切って行っとかないと・・ですネ。
by aya (2010-12-08 11:12)
yukaさま
今回の企画展、約150点ほどの出品があるので、非常に充実してますよ。
私は今回、シックな色合いのルソーにとても癒されたんですが、
暗い沈んだ色合いが、す~っと気持ちに入ってきて、パリの空気感を
呼び起こしてくれて、ほんと観ていて気持ち良かったです。
>ブリジストンは、他の収蔵品もおいしいので・・・
常設の作品たちは、厳選されてギュギュっとひとつの部屋に展示されているので、
いつも以上に濃密な空間になってます。
ここでは紹介しませんでしたが、相変わらず、ザオ・ウーキーの青い作品は
圧倒的な存在感で、その絵の中に入ってしまいたい衝動にかられるんですよね。
東京に居ながらにして、セーヌを感じられる、とってもおススメな展覧会でした。
お時間あれば、ぜひ行ってみてください。
by aya (2010-12-08 11:28)